どこまでサポートできるのか|かわさき高齢者とペットの問題研究会通信2024年11月号(39号)
川崎市公認の登録ボランティア、かわさき犬・猫愛護ボランティアの中から生まれた「かわさき高齢者とペットの問題研究会」より、ニュースレターをお届けします!
今回は、研究会が関わった実際のケース(CASE 25)をご紹介します。
自活困難な高齢者とペット
今回は、「あと10分で救急車が来るけれど、ペットの犬がいる。どうすればよいか」という包括支援センターからのSOSで駆けつけたことから始まりました。これ以降、5年間にわたり関わることになったケースです。
飼い主さんは80代で独居。急遽、片っ端から親族に犬の預かりを要請し、短期間ならということでなんとかお願いすることができました。
退院後は包括支援センター、ケアマネージャー、ヘルパー、獣医師らと連携してサポートを続けましたが、次第に認知症が進行し、自立した生活は明らかに困難な状況となりました。
歯がゆさが残った結末
飼育も困難と判断して、犬の譲渡を提案しました。しかしご本人が強固に拒み、ある日、炎天下に散歩させたことで、犬が脱水症状を起こしてしまったのです。犬の死をもって、ご本人は施設に入居することになりました。
ペットに関してのみ言及すれば、周囲はサポートはできても、365日24時間そばにいることはできません。法律の壁を超えて介入することもかないません。独居高齢者がペットショップから子犬を購入できたことも、悲劇を生んだ一因です。歯がゆさと共に、高齢者のペット飼育について、問題提起を続けていくという思いを強くしました。
シンポジウムのご案内
10月号でも告知しましたが、「共に生きる幸せ:高齢者と伴侶動物の福祉を考える」をテーマとしたシンポジウムが開催されます。この問題を長く研究されてきた横浜国立大学の安野舞子准教授ほかが登壇されます。ぜひお出かけください。
日時:12月14日(土)13時~16時
場所:かながわ労働プラザ
参加費無料、申し込み不要
シンポジウムの詳細はこちらをご覧ください
かわさき高齢者とペットの問題研究会通信 2024年11月号(39号)
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