不安を感じた時こそ決断のチャンス!|かわさき高齢者とペットの問題研究会通信 2024年4月号(32号)
川崎市公認の登録ボランティア、かわさき犬・猫愛護ボランティアの中から生まれた「かわさき高齢者とペットの問題研究会」より、ニュースレターをお届けします。
今回は、研究会が関わった実際のケース(CASE 20)をご紹介します。
将来の不安を感じる高齢者
今回は、高齢で独居生活のなか癌を患い、自分の今後について不安を感じるようになった方のケースです。当会にご相談いただいたのは、その方が12歳になる犬と暮らしていたからです。いつ入院するかもわからない状況下で、残される愛犬のことも心配でならない、とのことでした。
この方の不安はもっともであり、当会では、お話を伺ったうえで以下の内容をご提案しました。
(1)任意後見契約のご提案。犬の世話についても、契約内容に任意後見受任者が手配できるよう盛り込む。
(2)そのための負担付き遺贈の内容の遺言書作成。
尻すぼみに終わらせない
ところが、ご提案したものの話は進展しませんでした。今のところ幸い病状が落ち着いているため、どうしても切迫感に乏しいこと、また、いざとなれば誰かがなんとかしてくれるのではないか、という漠然とした期待があるのかもしれません。
ですが残念ながら、期待に応える手立てがないまま、本人のみならず周囲を巻き込んで切羽詰まった状況に陥る未来の方が現実的です。
確かに、高齢者が大きな決断をし、煩雑な手続きに臨むのは容易ではありません。周囲に将来の不安を口にする方がおられたら、そのチャンスをのがさずに適切な助言とサポートをぜひ考えていただければと思います。
かわさき高齢者とペットの問題研究会通信 2024年4月号(32号)
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