ペットと離れたくない高齢者共倒れにならないために|かわさき高齢者とペットの問題研究会通信 2022年5月号(9号)

川崎市公認の登録ボランティア、かわさき犬・猫愛護ボランティアの中から生まれた「かわさき高齢者とペットの問題研究会」より、ニュースレターをお届けします。


今回は、研究会が関わった実際のケース(CASE 7)をご紹介します。


入院を拒否する理由は愛犬

今回は、80歳代でひとり暮らしの女性のケースです。疾患のため、すぐにでも入院が望ましい状況でしたが、頑として応じませんでした。その理由は、愛情を注いできた愛犬の存在でした。「犬が心配で、入院などできない」の一点張りだったのです。

しかし、女性は歩行困難でほぼ寝たきり状態のうえ、犬に自分と同じ食事を与えていたこともあり、犬までが歩行困難なほど健康の悪化が見られました。本人も犬も極めて不衛生な環境で、共倒れになることは目に見えています。女性は生活保護受給で、生活支援課からご相談がありました。


時間をかけて丁寧な説得を

ひとり暮らしの高齢者がペットを心の拠り所とし、手放したくない気持ちは尊重されるものです。別れで生じる喪失感が、その後の心身に影響を与える可能性もあります。

そこで、「このままでは犬の健康も心配であり、譲り受けたら大切に世話をする」等、根気よく丁寧に説得を続けました。その結果、時間はかかりましたが、最終的に犬の引き取りを納得していただき、その後、新しい飼い主探しに入ることができました。

ただし、このケースでは経済状況も含め適正飼養が困難な状態だったことなど、課題を残したのも事実です。


ペットフード

昭和60年代頃までは、ペットの食事といえば人の残飯が一般的でした。しかし現代は、ペットの種類だけでなく年齢や健康状態に配慮したペットフードが販売されています。

間違った与え方は、ペットの健康にも影響してきます。訪問先で、ペットの食べ物に問題があるようなら、助言してあげましょう


かわさき高齢者とペットの問題研究会通信 2022年5月号(9号)

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掲載事例については、プライバシー保護の観点から個人が特定されないように配慮して構成しております。

かわさき高齢者とペットの問題研究会

「人の福祉」と「動物の福祉」をつなげて  かわさき高齢者とペットの問題研究会は川崎市内における高齢者とペットの問題への助言・サポートを行っています