同居親族は協力的か?|かわさき高齢者とペットの問題研究会通信 2022年10月号(14号)
川崎市公認の登録ボランティア、かわさき犬・猫愛護ボランティアの中から生まれた「かわさき高齢者とペットの問題研究会」より、ニュースレターをお届けします。
今回は、研究会が関わった実際のケース(CASE 10)をご紹介します。
無関心な同居家族
包括支援センターの担当者さんからの相談で訪れた家には、認知症が進行した90代の女性が暮らし、高齢の猫を2匹飼育していました。猫は適切な世話を受けられず、室内は悪臭が立ちこめる不衛生な状態でした。女性には、その自覚がありません。
家の2階には、女性の息子さんが住んでいましたが、この状況に無関心で、アドバイスを申し出ても「慣れているから」と取り合おうとしません。
ケアマネさんやヘルパーさんが訪れると片づけや食事の支度などをしてみせ、むしろ干渉されるのを嫌がっているような気配が感じられました。
関係者に自衛を促しつつ、説得を
問題が起きた時、同居親族が協力的とは限りません。ペットは個人の財産であり、こちらも法的な強制力はないため、その場合、同居親族を差し置いて事を進めることはできず、解決を遅らせることさえあるのが現状です。
この状況が、自分達だけでなくケアマネさん等とその周囲にまで感染症やノミ・ダニなどの被害を及ぼすリスクがあることを認識していただく必要がありますが、さしあたって被害を防ぐ対策の資料を関係者の皆さん、ならびに息子さんに配布して注意を促しました。さらに連絡を取りながら、取り組み方を考えています。
豆情報:被害対策を十分に!
2022年7月号でノミ・ダニの被害対策を取り上げましたので、ご参照ください。次の訪問先やご自宅に被害を広げないように、退出時にはチェックしましょう。また、不衛生な状況で飼育されているペットに引っかかれたりかまれたりした傷から、感染症にかかることがあります。小さい傷でも油断せずに治療してください。
かわさき高齢者とペットの問題研究会通信 2022年10月号(14号)
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