飼育者不在時の対応のはずが…|かわさき高齢者とペットの問題研究会通信 2022年12月号(16号)

川崎市公認の登録ボランティア、かわさき犬・猫愛護ボランティアの中から生まれた「かわさき高齢者とペットの問題研究会」より、ニュースレターをお届けします。


今回は、研究会が関わった実際のケース(CASE 11)をご紹介します。


飼育者の不在時にペットの世話

今回ご紹介するのは、独居の高齢女性のケースです。後見人がつき、ケアマネさん、ヘルパーさんも介入して女性を支える状況でした。

女性はペットの犬と猫を飼育していましたが、持病等で入退院のくり返しとなったため、不在の間は後見人、ケアマネさん、ヘルパーさんが協力し合って対応していたとのことです。

ところが、女性は症状が悪化し、ついに家に戻れない状況になってしまいました。そこで、飼育継続が不可能になったペットの処遇について、後見人を通して当研究会にご相談いただきました。高齢で独居のペット飼育者が直面しがちな問題です。


関係者で対応、事前の準備も必要

まず、後見人の同意を得て、掛かりつけの獣医師、一時預かり事業所を紹介し、その間にいろいろ手立てを考えるように助言しました。

その後、後見人と被後見人の親族とも調整のうえ、獣医師も協力し、ボランティア団体にも依頼して、引き取り手を探す方向で話を進めることになりました。

繰り返しになりますが、ペットは個人の財産であり勝手な対応はできません。飼育者の生きがいであるペットを無理に引き離すのも、偲びない部分もあります。あらかじめ、不測の事態時の処遇を、飼育者と取り決めておくことをおすすめします。


来年もよろしくお願い致します。

高齢者のペット飼育問題は、超高齢社会となった日本で、ますます深刻な社会問題となりつつあります。当研究会は、現場の声を広く取り上げ、行政とも協働して、来年も引き続き取り組んでいきたいと考えています。どうぞよろしくお願い致します。

良いお年をお迎えください。


かわさき高齢者とペットの問題研究会通信 2022年12月号(16号)

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かわさき高齢者とペットの問題研究会

「人の福祉」と「動物の福祉」をつなげて  かわさき高齢者とペットの問題研究会は川崎市内における高齢者とペットの問題への助言・サポートを行っています