無責任な餌やりを見過ごさない|かわさき高齢者とペットの問題研究会通信 2023年3月号(19号)
川崎市公認の登録ボランティア、かわさき犬・猫愛護ボランティアの中から生まれた「かわさき高齢者とペットの問題研究会」より、ニュースレターをお届けします。
今回は、研究会が関わった実際のケース(CASE 12)をご紹介します。
それが愛情だとしても…
今回は、庭にやって来る野良猫に餌を与え続けるご高齢の方のケースです。おそらくは猫が可愛い、空腹ではかわいそうという愛情から始まった行為でしょう。しかし、やがて庭や周辺に猫が集まり繁殖するようになってしまいました。事態に気づいたその方の知人から当研究会に問い合わせをいただき、話を伺うことになりました。
まずは繁殖を防ぐ不妊手術が必要です。ただし、捕獲や病院への搬送協力は可能ですが、手術費用は市の助成金を使っても1頭あたり数千円の負担が必要です。それをお伝えすると、負担は厳しいとのことで残念ながら現在まで解決に至っていません。
手遅れになる前に対処を
特に孤独になりがちな高齢者にとって、餌やりがきっかけで猫がなつけば愛情が深まり、癒しになることは理解できます。しかし、その結果に責任がもてないのであれば、不幸な猫を増やすことにつながってしまいます。社会問題化している「多頭飼育崩壊」も、決して他人事ではありません。
もし近所や訪問先で頻繁な餌やりや家の内外で猫が増えるような兆候があれば、見過ごすことなくご連絡いただければと思います。区の衛生課や動物愛護センター、当研究会などが窓口になります。また、飼い主のいない猫を適正に管理する「地域猫活動」が行われている地域もあります。
豆情報:シンポジウム盛況でした
2023年3月5日、「高齢者とペット飼育問題」等を取り上げたシンポジウムを開催しました。福祉・介護の関係者、研究者、学生、行政関係者、ボランティアなど多くの方々にご参加いただき、活発な意見交換ができました。後日、改めてご報告します。ご参加いただいた皆様、ありがとうございました。
かわさき高齢者とペットの問題研究会通信 2023年3月号(19号)
PDF版はこちらをご覧ください
掲載事例については、プライバシー保護の観点から個人が特定されないように配慮して構成しております。
0コメント