「たられば話」で済ませない|かわさき高齢者とペットの問題研究会通信 2023年4月号(20号)

川崎市公認の登録ボランティア、かわさき犬・猫愛護ボランティアの中から生まれた「かわさき高齢者とペットの問題研究会」より、ニュースレターをお届けします。


今回は、研究会が関わった実際のケース(CASE 13)をご紹介します。


実現性の低い提案

今回は、猫を飼っておられる独居の高齢女性のケースです。同じく独居で同年代のご友人から、「自分の死後、自宅と財産を譲るので、残される飼い猫の世話を頼みたい」と依頼されたとのこと。しかし、そもそもご自身も高齢で、すでにご自宅に猫がおり、受けるのが難しい状況でした。

また、不動産もペットも個人の財産ですから、口約束だけではどうにもできません。そこで、正式な遺言書の作成を助言し、専門家が何度か双方と面接しました。ところが、お二方とも気持ちはあるものの、話はのんびりと具体性に欠け、なかなか前に進まないまま時間が過ぎました。


早期に具体的な意思決定を

そうこうしているうちに、なんと相談を受けたご友人の方が先に体調を崩し、施設に入居する事態になってしまいました。ご友人には別居のご家族がいたこともあり、この話は立ち消えです。幸い、女性の飼育猫達は知人達が分散して保護し、譲渡先を見つけることができました。

特に高齢者の場合は状況が一変し、ペットの対処を早急に迫られるケースが多々あります。現場では「いつかこうなったら、こうすれば…」を聞いている余裕はありません。ペット飼育者が自分の意思を早期に、具体的な文書として残すことの重要性を痛感したケースでした。

  

豆情報:散歩中のペットの拾い食いにご注意!

散歩中のペットが、道路にまかれた毒や針など異物を仕込んだ餌を食べ、中毒症状を起こしたりケガを負ったりする事件が増えています。

散歩の際に、ペットが不審物を口にしないよう気をつけると共に、見つけた場合はすぐに警察に知らせましょう。


かわさき高齢者とペットの問題研究会通信 2023年4月号(20号)

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掲載事例については、プライバシー保護の観点から個人が特定されないように配慮して構成しております。

かわさき高齢者とペットの問題研究会

「人の福祉」と「動物の福祉」をつなげて  かわさき高齢者とペットの問題研究会は川崎市内における高齢者とペットの問題への助言・サポートを行っています